虚偽申告は後々不利
SOHO向け賃貸マンションで賃貸契約を結ぶ時は、「住居兼事務所」としての使用とそれに付随する諸条件について、貸し主であるオーナーと管理会社のサイドと、きちんと確認し合うことで後々のトラブルを回避しましょう。正直にすべてをつまびらかにする必要はありませんが、虚偽の申告は不可です。虚偽が発覚した場合、契約違反となり、違約金や立ち退きの請求を受けても文句が言えなくなります。よく「契約書では事務所としての使用を禁止していないから、問題ないでしょう?」とおっしゃる方がいますが、「禁止していない=やっていいこと」ではありません。しかも契約書によっては「契約書で定めていない事項に関しては別途、大家と協議の上定める」といった文言や「契約内容は大家側の事情で変わる場合がある」といった断り書きが記載されていることもありますので注意です。 私の同僚でもあった友人は、数年前に退社して起業したのですが、自分が住んでいた単身者用マンションで事務所を開設しました。事務所といってごく小規模のもので、居室に客を入れるわけではなく、仕事の大半は外で済むものでしたので、勝手に「このぐらい大丈夫」と踏んで、オーナーや管理会社に連絡することはありませんでした。順調に増えていった仕事でしたが、すぐに1人で切り回すには難しくなり、当時付き合っていた彼女に仕事の一部(経理関係)を手伝ってもらうことになりました。彼女は頼まれた仕事を終えた後、ご飯の仕度をしたり、洗濯や掃除をしたりといったこともこなして、やがてほぼ住み込み状態となったそうです。ここで問題が起きました。 「部屋に2人で住んでませんか?」。管理会社からの電話でした。最初は友人もとぼけたそうですが、近くに住む大家が洗濯物を干したり、買い物に出掛ける彼女の姿を見たとのことで、言い逃れはできなくなりました。ここで友人も素直に謝れば良かったのでしょうが、強制退去を恐れて「彼女は従業員です。事務所の仕事を手伝ってもらってるわけで、住んではいません」と嘘をつきました。「従業員? 事務所? そこで仕事されてるんですか?!」。管理会社の驚きように友人は「しまった」と思ったそうですが、もう後の祭り。数日後に管理会社社員が乗り込んできて、本格的な事情聴取を受け、管理会社はオーナーに「届け出なく事務所を開設し、居住者以外の人間を頻繁に居室に出入りさせた」と連絡。数日後には、内容証明郵便で「3カ月以内の退去勧告」が送られてきたそうです。後日知ったことですが、このオーナーはかつて住居兼事務所で貸したことでトラブルに遭ったことがあり、管理会社には「事務所利用は不可」ということを徹底するよう伝えてあったそうで、友人はアウトの判決だったようです。(結局、友人は素直に非を認め、1カ月半で退去しましたが、同じ管理会社が仲介料なしで適当な物件を探してくれたそうです。今もそこで、奥さんとなったかつての彼女と2人で営業してます)。自業自得というしかないのですが、隠れた契約違反行為は将来のトラブルの芽ですので、早め早めに摘んでおくが懸命です。
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